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(以下は説明用の参考情報で、予告なく変更する場合があります。最新情報はお問合せ下さい。)

超臨界流体 超臨界二酸化炭素(CO2)利用技術
Q & A


 超臨界流体 / 超臨界二酸化炭素 Q & A  質問コーナー


超臨界二酸化炭素 CO₂ とは? 用途?

 など   Application
【Qa 1】 超臨界流体・状態とは? どのような物資が超臨界流体になりますか?
【Qa 2】 超臨界二酸化炭素は、どのような分野で使用され、実用化されていますか?
【Qa 3】 超臨界二酸化炭素CO₂の物性値、溶解度は、どこで入手できますか?
【Qa 4】 超臨界二酸化炭素CO₂の溶解度パラメータ(SP値)δは、幾らですか?
【Qa 5】 誘電率 は、幾らですか? どの有機溶媒と特性が似ていますか?
【Qa 6】 超臨界CO₂の 表面・界面張力フリー とは何でしょうか?
【Qa 7】 超臨界流体の溶媒特性、特長/利点、欠点/デメリットは何でしょうか?
【Qa 8】 エントレーナ、助剤 などの使用例にはどのようなものがありますか?
【Qa 9】 種子、フィルム、半導体ウェハ等の固体はどのように高圧処理しますか?
【Qa 10】 原料が 液体 の場合は、どのように処理しますか?
【Qa 11】 抽出過程を連続的に測定する方法はありますか?
【Qa 12】 超臨界流体(SCF)プラズマとは、何でしょうか?
【Qa 13】 擬臨界温度、密度ゆらぎ、クラスタリングとは、何でしょうか?
【Qa 14】 超臨界CO₂が有機高分子材料/ポリマーと共存するとどうなりますか?
【Qa 15】 超臨界CO₂流体の歴史、いつ頃から実用化されましたか ?
【Qa 16】 超臨界CO₂プロセス検討時に使用するモルエル線図とは、何でしょうか ?
 
  
 
  
 
  
  【QL 9】  HPG の貯蔵 / 容器置場の取扱いは ? 

装置、法規 など

   Equipment、Law
【Qe 1】 超臨界CO₂装置には、どのようなものがありますか?
【Qe 2】 超臨界CO₂装置の設計はどのようにしますか? 何が必要ですか?
【Qe 3】 CO₂は、地球温暖化ガスとしてカウントしますか? CO₂は回収できますか?
【Qe 4】 二酸化炭素/炭酸ガス/CO₂の使用、導入する時の注意点はありますか?
【Qe 5】 処理容器の容積に対して、CO₂ポンプの流量はどのようにして決めますか?
【Qe 6】 熱交換器の仕様 Heat Duty を決めるときの注意点はありますか?
【Qe 7】 超臨界CO₂による抽出/処理コストは、幾らですか?
【Qe 8】 「想定外」でない装置にするポイントは何でしょうか?
【Qe 9】 装置運転での注意事項はありますか?
【Qe10】 安全弁の吹出し量は、どのようにして決めますか?
【Qe11】 炭酸ガスボンベを加温する場合の注意事項は?


【QL 1】 装置使用には、官公庁への届出・許可が必要ですか?
【QL 2】 高圧ガス保安法(HPG)はどのような形で適用を受けますか?
【QL 3】 HPG の処理量はどのように計算しますか? 第1種製造者とは?
【QL 4】 高圧ガス製造の許可申請の提出資料は?
【QL 5】 装置を運転するのに、どのような資格が必要ですか?
【QL 6】 HPG の特定設備とは、どのような設備ですか?
【QL 7】 HPG の保安・自主検査では何をしなければならないですか?
【QL 8】 HPG の施設等を変更・改造する場合の取扱いは?

【Qa 1】 超臨界流体・状態とは何?、どのような物資が超臨界流体になりますか?
【Aa 1】 気体と液体が共存できる限界の温度・圧力(臨界点)を超えた状態にあり、通常の気体、液体とは異なる性質を示すユニークな流体です。臨界点(Critical Point) は、物質の液相と気相間の相転移が起こる圧力と温度の範囲の限界を示す相図上の点で、その時の圧力を臨界圧力Pc、温度を臨界温度Tc、密度を臨界密度ρcといいます。色々な物資のこれらの値を右図に示します。
 この超臨界流体は、どこにでも忍び込む気体の性質(拡散性)と、成分を溶かし出す液体の性質(溶解性)を持ち、且つ、その物性を連続して大幅に変化できる特長を持っています。  このため、自然界に存在する二酸化炭素を超臨界流体状態の"自然溶媒"として使用すれば、化学、食品分野などでの有機溶媒の代替としても利用でき、人にやさしく、環境にやさしい技術として注目を浴び、グローバル企業の N i K e や A d i d a s が採用しています。 超臨界二酸化炭素の詳細はこちらを参照下さい。
 もうひとつの自然溶媒である超臨界水は、臨界温度が高いため、用途は限られますが、ケミカルリサイクル等の自然反応溶媒として使用されています。反応残渣をケミカルリサイクルするプロセスが神戸製鋼によって実証開発され、化学工学会技術賞を受賞、商業実用プラントとして稼動しています。詳細は、 こちらを参照下さい。

【Qa 2】 超臨界二酸化炭素は、どのような分野で使用され、実用化されていますか?二酸化炭素CO₂ガスの詳細はこちらへ!
【Aa 2】 超臨界二酸化炭素は、この特徴を生かして、コーヒー豆からの脱カフェイン、ビール用のホップエキスの抽出等の食品分野、ナイキやアディタスがTシャツの無水染色等を始め、色々な分野に適用されています。詳細はこちらを参照下さい。

【Qa 3】 超臨界二酸化炭素CO₂の物性値、溶解度は、どこで入手できますか?⇑このページのトップへ
【Aa 3】 超臨界二酸化炭素の物性値の概要は、こちらを参照下さい。
これらのデータは、Natianal Institure of Standards and TechnologyのページのFluid Propertiesから主要な物性値の入手が可能です。
International Thermodynamic Tables of the Fluid State: Carbon Dioxide (IUPAC Publications):出版社 Pergamon Press (1976/08)にも、各種物性値の表が掲載されています。
溶解度は以下の書籍を参照下さい。基本は、文献検索し、無ければ、実測します。実測は、こちらを参照下さい。
  ・Solubility in Supercritical Carbon Dioxide by CRC Press., Ram B. Gupra, Jae-Jin Shim @2007
  ・Natural Extracts using Supercritical Carbon Dioxide by CRC Press., Mamata Mukhopadhyay @ 2000
  ・超臨界流体のすべて by ㈱テクノシステム, 荒井康彦監修
  ・水、エタノール、アルコール類の溶解度の一部は、こちらを参照下さい。

【Qa 4】 超臨界二酸化炭素CO₂の溶解度パラメータ(SP値)δは、幾らですか?二酸化炭素CO₂ガスの詳細はこちらへ!
【Aa 4】 溶解度パラメータとは、物質間の親和性の尺度を表すもので、SP値とも呼ばれ、類似した溶解度パラメータを有した物質どうしは混ざりやすい性質があります。このため、エントレーナ(助剤、モディファイアー)等の選定の際の指標として利用される場合があります。CO₂は無極性流体のため、溶解度パラメータは他の溶媒と比べ小さく、ヘキサンと似た溶媒と言われる場合があります。このため、他の溶媒をエントレーナとして添加し、溶解度パラメータを大きくして親和性を高めたりします。エントレーナの使い方が、プロセス構築の重要因子のひとつです。
他の溶媒との比較 [(MPa)0.5]
溶媒 水 エタノール IPA ベンゼン ヘキサン
SP値 47.8 26.4 23.5 18.7 14.8

 右上図の破線は、エタノールをエントレーナとして10%加えた場合のSP値の変化を示します。
 左図は、各種アルコール、溶媒を2mol%二酸化炭素に加えた場合の2成分系の臨界圧力(Pc)、臨界温度(Tc)を縦軸に、横軸に2成分系のSP値を示します。
 これらより、超臨界CO₂の溶解度パラメータは、圧力、温度、エントレーナにより、変化させることができます。
 一般物質のSP値は、次を参照下さい。・Handbook of Solubility Parameters and Other Cohesion Parameters by CRC Press. Allan F.M.Barton @1991

【Qa 5】 誘電率は、幾らですか? どの有機溶媒と特性が似ていますか?二酸化炭素CO₂ガスの詳細はこちらへ!
【Aa 5】  誘電率は、物質内で電荷とそれによって与えられる力との関係を示す係数です。電媒定数とも言います。各物質は固有の誘電率を持ち、外部から電場を与えた時に物質中の分子がどのように応答するか(誘電分極の仕方)によって決まります。媒質の誘電率と真空の誘電率の比を比誘電率と呼び、溶媒の極性を評価するパラメータとして使用される場合があります。右図はPhys. CHem. 97 (1993) No.4 589より、作図。
他の溶媒との比較
溶媒 水 エタノール ベンゼン ヘキサン
比誘電率 80 24 2.3 1.8

 溶解度パラメータと同様に、超臨界CO₂の誘電率は、ヘキサンに近い値で、極性、電荷的にはヘキサンやベンゼンと類似の溶媒的性質を示します。圧力、温度と共に、これらの値が変化しますが、粘性、表面張力は、これらの有機溶媒よりも一桁程小さい溶媒特性を示し、これが超臨界二酸化炭素の大きな特長のひとつです。

【Qa 6】 超臨界CO₂の 表面・界面張力フリー とは何でしょうか?⇑このページのトップへ
【Aa 6】 表面張力 表面張力 (Surface Tension) とは、液体の表面に作用する表面積をできるだけ小さく縮めようとする力で、界面張力 (Interface Tension) は、境界面の面積を減少させようとする力で、二相の境界面で働く表面張力を言います。表面張力
 液化二酸化炭素、超臨界CO₂は、右図に示すように通常の溶媒と比較し、表面張力が極小のため、倒壊や亀裂/割れが発生しやすくなる微細構造体の乾燥などに利用されます。利用・応用分野はこちらを参照下さい。

 超臨界CO₂で乾燥する場合、ゾル・ゲル法等の溶液法での使用溶媒との表面張力差が乾燥初期に影響する場合があります。こちらを参照下さい。このため、溶媒の界面張力データの一例を参考までに示します。
溶媒名 a b 温度範囲 20℃値 溶媒名 a b 温度範囲 20℃値
メタノール 24 0.0773 10~60 22.5 水 - - - 73.0
エタノール 24.05 0.0832 10~70 22.4 ヘキサン 20.44 0.1022 10~60 22.4
IPA 22.9 0.0789 10~90 21.3 ベンゼン 31.54 0.132 10~80 28.9
 γ=a - b×t、γ:界面張力(mN/m)、t:温度(℃)

【Qa 7】 超臨界流体としての、溶媒特性、特長/利点、欠点/デメリットは何でしょうか?二酸化炭素CO₂ガスの詳細はこちらへ!
【Aa 7】 超臨界流体は、その物性値を変化させえる、制御できることが、大きな特徴ですが、逆にそれが難しさにも繋がります。超臨界二酸化炭素、超臨界水の超臨界流体としての溶媒特性を、特長/利点、欠点/デメリットの観点で、整理していますので、こちらを参照下さい。

【Qa 8】 エントレーナ、助剤等の使用例にはどのようなものがありますか?⇑このページのトップへ
【Aa 8】 ● Aa4の右側図に示す超臨界CO₂+10%エタノール系に示すように溶解度パラメータが大きくなり、溶媒特性を変化させ、極性を付与することができます。
● 超臨界CO₂と各種アルコール等の溶媒の混合系に高分子のPETを浸すと右図に示すようにPETの膨潤度が溶解度パラメータにほぼ相関して変化します(堀先生の講演会配布資料82より再図示化)。このため、PETフィルムに貴金属類などを含浸する、或いは、ピロールなどの導電性物質を含浸する場合などの含浸深さの調整に応用できます。
● 半導体基板Low-k膜のエッチングレートを制御するために、助剤(相溶化剤)を使用して、超臨界CO₂への親和性を向上させ、TMAF (テトラメチルアンモニウムフルオライド)等を溶解させて、エッチング速度の制御が左表に示すように可能になります。特許3,996,513、4,256,722を参照下さい。
● 無極性流体である超臨界CO₂には、極性物質の水は、ほとんど溶解しません (100℃以下で1%以下) が、エタノールと共存する三成分系では、多量の水が溶解します。

【Qa 9】 種子、フィルム、半導体ウェハ等の固体はどのように高圧処理しますか?二酸化炭素CO₂ガスの詳細はこちらへ!
【Aa 9】 超臨界CO₂は、高圧での使用のため、固体(被処理物)を処理する場合は、基本的には、連続処理ではなく、バッチ処理になります。処理容器に被処理物を入れ、蓋を閉めた後に、超臨界CO₂を供給して処理します。プロセスの効率を上げるために、超臨界CO₂を連続供給するセミバッチプロセスが適用されます。
 固体処理の例を右写真に示します。左側は、半導体ウエハの成膜装置で、自動開閉可能な上蓋に半導体ウエハを取り付けた後に上蓋を閉め、昇圧し成膜します。右側は、シリカエアロゲル(多孔質体)を乾燥している処で、アルコゲルを高圧容器内に置き、容器を密閉し、昇圧した後に15MPaでCO₂を流通している状態です。

【Qa10】 原料が液体の場合は、どのように処理しますか?⇑このページのトップへ
【Aa10】 液体原料を処理する場合は、固体処理と異なり、ホンプで連続的に高圧場への原料供給が可能なため、液体(右図塔上部から)とCO₂(右図塔下部から)共に、連続で供給する場合と、固体処理と同様に、一定量を処理容器に入れて、CO₂を容器下側から供給し、液体原料中の農薬などの不純物を除去する場合(中図)などがあります。
 どらちの場合も、液液抽出(Ex:右図向流接触型抽出塔)、或いは、気泡塔(Ex:左図)のイメージですが、圧力・温度条件により、CO₂の密度と液原料への溶解性が異なる事に依存する液原料密度の変化などが通常の抽出操作などと異なるので、注意が必要です。
 向流接触型抽出塔の例(83)を左図に示します。

【Qa11】 抽出過程を連続的に測定する方法はありますか?二酸化炭素CO₂ガスの詳細はこちらへ!
【Aa11】 超臨界二酸化炭素試験装置での分析例 超臨界CO₂は、高圧を利用するため、高圧の系内に分析手段を持込む、或いは、分析用電気配線等を取り出すなどが難しいですが、NateCO2社(独)が近赤外線(NIR*near infrared)による連続分析結果を発表しています (The Journal of Supercritical Fluids, 79 (2013) p.330)。例えば、ホップの場合は、0.1wt%以上が分析可能で、 抽出器の出口配管にNIRモニタリングシステムを取付け、60℃で、25MPa、28MPa、50MPaでのホップと水の分析結果により抽出挙動を示しています。
 NIRシステムは、高圧系で使用するため、かなり高価ですが、揮発性の高い物質の場合は、抽出器出口配管から、被処理物含有CO₂ガスを常圧系のガスクロに導入して、擬似連続的に分析することが可能です。  右図は、容器内にIPAに浸した多孔質体を入れ、CO₂で、置換・乾燥した時の、容器出口のIPA濃度をG.C.で分析した結果を示します。CO₂供給開始後、約3.5時間で  5wt%になり、7時間後にほぼ零になり、乾燥が完了した事が確認できました。

【Qa12】 超臨界流体(SCF)プラズマとは、何でしょうか?⇑このページのトップへ
【Aa12】 超臨界CO₂をプラズマ(電離した電子と陽イオンが混在した状態)化し、a)密度ゆらぎ構造中の分子クラスタリングや、b)溶媒和構造中の分子クラスタリング等の超臨界の微視的構造の特徴を維持したまま電離したプラズマ状態のCO₂を呼んでいます。分子クリスタリングに起因して、"ナノ界面"が形成され、臨界点近傍におおける大きな"密度揺らぎ"(Aa12参照)により、ナノ界面とプラズマの両方において、"揺らぎ構造"が出現します。このため、新たな物質状態として優位な高反応性・非平衡性による新たなナノ物質物質合成などが研究されています (J.Plasma Fusion Res. 90(7), 384 (2014)より)。応用分野、研究例は、こちらの表外右上イメージ図、表中の微粒子&無機物欄を参照下さい、レーザアブレーションによる三原色で発光するシリコンナノ結晶(密度ゆらぎが極大となる圧力で合成量が最大)、500nm金ナノ球、10次ダイヤモンドイドの研究引用文献を紹介しており、生成したナノ粒子が超臨界流体の高熱流速によるピコ秒のタイムスケールで急冷される事により、その物性が大きく変化すると報告されています。

【Qa13】 擬臨界温度、密度ゆらぎ、クラスタリングとは、何でしょうか?⇑このページのトップへ
【Aa13】 擬臨界温度右図は、超臨界圧8MPaにおけるCO₂の温度に対する物性値を示し、比較的狭い温度領域で急激にかつ連続的に液体的な状態からガス的な状態へ変化します。これは、臨界圧力(7.38MPa)より低い圧力域にみられる飽和域の名残と考えられ、特に、定圧比熱が極大値をとる温度が擬臨界温度と呼ばれています。擬臨界温度の近辺で物性値が大きく変化し、例えば、自然冷媒としてのCO₂カーエアコンの熱伝導率は擬臨界温度でピークを示すため、これを配慮した熱交換器設計が必要になります。
擬臨界温度は、圧力が高い程高くなり、右図の比熱ピークに示すように、概略:8MPa→35℃、9MPa→40℃、10MPa→45℃、12MPa→54℃前後です。
密度ゆらぎ(密度不均一性)とは、概念的には「平均構造からのズレ」を粒子数から表現したもので、臨界点近傍での分子間力と熱運動が拮抗するために起こる分子分布の不均性変化を言います。分子の集合状態に注目すると、特定の大きさ、特定の形を持たない分子集合体が乱雑に分布しています。溶液の場合は、密度ゆらぎと濃度ゆらぎの両方が考えられています。
クラスターとは、同種の原子或いは分子が相互作用によって数個~数十個、或いは、それ以上の数が結合した物体を言い、臨界点近傍では流体分子のミクロな密度ゆらぎが大きく、空間的な不均一性が顕著で、分子間相互作用の強い溶媒分子を入れるとその物資の周囲に流体分子が集合し、局所的な密度の増加が起こります。この現象をクラスタリングと呼び、液相での溶媒和と比べ周囲の密度差はずっと大きくなります。

【Qa14】 超臨界CO₂が有機高分子材料/ポリマーと共存するとどうなりますか?⇑このページのトップへ
【Aa14】 ガラス転移温度低下超臨界CO₂が有機高分子材料に溶解すると、膨潤・可塑化(高分子鎖の絡み合いを緩和し運動性の促進、自由体積の増加)が起こります。例えば、右図に示すように、ポリメタクリル酸メチル(PMMA, Tg=378K)をCO₂で4MPaに加圧すると、大気圧下で105℃であったガラス転移温度(Tg)が50℃まで降下します。また、ポリスチレン(PS, Tg=373K)を20MPaに加圧すると、ゼロせん断粘度が約1/20に低下します。CO₂の高分子材料への溶解によって、(1)Tgの低下、(2)粘度の低下、(3)表面張力の低下、(4)拡散係数の増加、(5)結晶化領域の増加 などの物性変化が引き起こされます。これらの物性変化の程度は、圧力あるいは温度などの操作によって簡単に制御できます。このため、超臨界CO₂は高分子材料に対して制御性の高い溶媒となり得ます。一方、高分子材料に溶解する現象と逆に一部の高分子やモノマー・オリゴマーなどが超臨界CO₂へ溶解する現象も現れます。
 この可塑化効果を利用した混練や発泡成形などに加えて、染色・親水化・撥水化、金属注入(メッキやナノ粒子含浸)などの高分子材料表面への機能剤含浸・加飾法が可能です。有機高分子等への表面制御への応用はこちら、研究・開発例はこちら、適用分野例は、こちらを参照下さい。
 これらの含浸・加飾処理では、超臨界CO₂存在下で材料が可塑化し、超臨界CO₂に同伴して薬剤(機能性発現物質)が材料の分子間隙へ効率的に浸透することによって薬剤と材料との密着性が向上します。あるいは、極微細で複雑な形状の材料表面全体を均一で、コンフォーマル(形状適応性良く)に薬剤で処理できることなどが、CVDやPVD等の気相法と異なる特徴として期待されています。

【Qa15】 超臨界CO₂流体の歴史、いつ頃から実用化されましたか ?⇑このページのトップへ
【Aa15】 1822年にフランスのCharles Cagniard de la Tourにより超臨界流体の概念が発見され、1978年にはドイツのBremenでコーヒー豆からの超臨界CO₂脱カフェインプロセスが実用化されました。 1982年には、ビール用超臨界CO₂ホップ抽出が行われ、欧州では、脱カフェインとホップ抽出の大規模ブラントが稼働しています。
日本では1984年にドイツ製の香料抽出装置が初めて導入され、 主に香料メーカーで使用されるようになり、1987年に化学工学会に超臨界流体高度利用研究会が発足し、研究・開発が活発に行われるようになりました。このため、国内では、超臨界CO₂流体は、 既に35年以上の歴史があります。

【Qa16】 超臨界CO₂プロセス検討時に使用するモルエル線図とは、何でしょうか ?⇑このページのトップへ
【Aa16】 モリエル線図(p-h線図、圧力-比エンタルピー線図)は、縦軸に圧力、横軸にエンタルピー(CO₂の熱量)を取ったもので、超臨界CO₂サイクルでのCO₂の状態を表せます。 操作条件の各種状態でのCO₂の状態を1枚の線図で描く事により、各部の状態や数値を知り、また、その数値を使用して熱量計算や運転状態の判断に活用する事ができます。 特に、プロセス・装置設計する場合には、二酸化炭素のエンタルピーの特長を理解して行うことが非常に重要です。 モリエル線図の使い方 はこちらを参照下さい
 ・臨界点近傍では、圧力、温度の僅かな変化でエンタルピー、熱容量が大きく変化
 ・二酸化炭素の蒸発潜熱は圧力が高い程小さくなり、液化温度は高くなり、液化しやすくなる。
  一方、二酸化炭素中の不純物との分離は、圧力が低いほど、効率的になる。
 ・二酸化炭素を回収、分離、液化して再利用する場合には、冷凍機の効率も含めて最適化する。 ⇒ CO₂回収 を参照下さい。


【Qe1】 超臨界CO₂ 装置には、どのようなものがありますか?二酸化炭素CO₂ガスの詳細はこちらへ!
【Ae1】 超臨界二酸化炭素試験装置超臨界二酸化炭素試験装置 超臨界CO₂は、高圧を利用するため、高圧ガス保安法に合致した装置を使用します。溶解度の確認・試験、簡単な抽出・含浸試験などから、サンプル生産のための中型装置、工業処理のための大型装置など、その目的と用途により、基本的には、一品一様の装置になります。
 装置構成は、右図・写真に示す①~⑫の各機器から構成され、CO₂を回収する場合は、更に回収系が加わります。
 試験装置、ベンチ/パイロット試験装置、工業/商業装置とその目的に応じた装置があります。その例は、こちらを、その他装置の写真は、こちらを参照下さい。
 CO₂供給ポンプの流量により、都道府県庁への許可か、届出が必要です、詳細は、【AL2】を参照下さい。

【Qe2】 超臨界CO₂ 装置の設計はどのようにしますか? 何が必要ですか?⇑このページのトップへ
【Ae2】 試験装置、ベンチ/パイロット試験装置、工業/商業装置で装置の目的が異なるため、各々の装置設計の考え方が異なります。実験室から工業化へのステップ、スケールアップの手順をこちらに示します。特に、工業/商業装置の場合には、「想定外」な装置の例が多数見聞されますので、こちらに示す項目を十分に検討することが必須です。
 試験装置の場合は、適用分野に応じた圧力設定が非常に重要で、5~80MPa程度までの幅広い範囲から、適切な圧力を選定する必要があり、被処理物に応じた処理容器の設計を行います。

【Qe3】 CO₂ は、地球温暖化ガスとしてカウントしますか? CO₂は回収できますか?二酸化炭素CO₂ガスの詳細はこちらへ!
【Ae3】 超臨界二酸化炭素試験装置● 温室効果ガス排出量として算定 ? !
超臨界二酸化炭素回収装置  環境省温室効果ガス排出量算定・報告マニュアル第II編温室効果ガス排出量の算定方法によると、例えば、アンモニア製造過程で回収し他人へ供給する場合のCO₂は、排出量の算定外となります。その回収されたCO₂をリユースするドライアイスや噴霧器から排出されるCO₂は、排出量として算定されます。このため、超臨界プロセスで使用するCO₂も温室効果ガス排出量として算定されると考えられます ? !
● 超臨界CO₂は、回収・リサイクルが容易 !
  超臨界プロセスで使用するCO₂は、アンモニア製造や石油精製プラントなどから反応副産物として排出され、回収液化されたものをリユースとして使用します。そのリユースCO₂を、超臨界プロセスで利用し、回収・精製・循環使用が容易なため、上手にプロセスを構築する事により、そのほとんどを再使用、リユースできます。上図では、抽出槽/処理槽から排出されたCO₂は、臨界圧以下に減圧し、完全ガス化した状態でCO₂中の不純物を分離した後に液化し、リサイクルします。CO₂と親和性が高い物資を分離する場合には、吸着剤や精留塔(左図)にて、CO₂を精製します。当社Grでは、還流を伴った精留操作により、CO₂純度を99.99%程度まで、高めるプロセスの実証経験(左図)があります。

【Qe4】 二酸化炭素/炭酸ガス/CO₂の使用、導入する時の注意点はありますか?⇑このページのトップへ
【Ae4】 圧縮性・揮発性ガスとしての二酸化炭素 二酸化炭素/炭酸ガス/CO₂は、水と同じく自然界に存在する自然溶媒ですが、水と異なり、沸騰(沸点)液で流通しています。このため、右図に示すように、a) 圧縮性、b) ガス化する液体としての取扱いが必要になります。右図は、二酸化炭素の密度線図で、等圧線が大きく変化している事より、圧縮性の液体であることが分ります。と共に、そのまま大気圧まで減圧するとかなりのドライアイスが生成し、配管などを閉塞する危険性があります。使用する上での注意点としては、以下のようなものがあり、事前にその対策が必要です。

  ① ボンベ/容器を放置すると内部圧力が上昇し、吹出すこちらを参照下さい
  ② 液を往復動ポンプなどで昇圧する場合、ホンプヘッド内デッドスペースでガス化し、
   行程容積相当流量がでない、HPG処理量での運転ができないこちらを参照下さい
  ③ 上記②と同理由で、吸込側配管の加速度抵抗で、所定流量がでない    こちらの★4参照下さい
    使用ポンプのNPSH(Net Positive Suction Head)の有効availableと必要requiredの評価が必須です。
  ④ HPGの液化ガスの高圧ガス設備等に該当し、例えば、安全弁の規定吹出し量は、 Qe9参照下さい
   常用の圧力に応じた蒸発潜熱が規定されており、火災の想定が必要 (例示基準参照)     他

【Qe5】 処理容器の容積に対して、CO₂ポンプの流量はどのようにして決めますか?⇑このページのトップへ
【Ae5】 超臨界二酸化炭素の流量と容器の関係 超臨界二酸化炭素による昇圧時間 二酸化炭素ポンプの流量決定は、処理・抽出容器の所定圧までの昇圧時間だけでなく、全体処理時間、延いては、全体の経済性(【Ae7】参照)に大きく影響するため、十分な検討が必要です。
最右図は、工業規模装置の抽出器の容量に対して、何倍のCO₂流量のポンプになっているかを示します。右図は、抽出圧力に対するCO₂密度により、昇圧時間(実線)がどのように影響受けるかを示しています。破線は、各々温度での密度になる圧力を示します。
例えば、80℃、37MPaで、3倍流量の場合は、青二重線矢印に示すように、密度が801kg/m³で、昇圧に約16分かかります。当然ですが、温度が低く、圧力が高い程、昇圧に時間がかかると共にその後の抽出工程でも、抽出器内の置換に時間がかかります。

【Qe6】 熱交換器の仕様 Heat Duty を決めるときの注意点はありますか?⇑このページのトップへ
【Ae6】 超臨界二酸化炭素のモリエル線図圧力による必要熱量 二酸化炭素のエンタルピーは、最右図のモリエル線図に示すように等温線が、特に臨界圧付近で湾曲しており、同じ40℃でも圧力が高い方がエンタルピーが小さくなります。(最右図の黄緑色横矢印線は高圧程短くなる事を示し、右縦棒図の各圧力に対応)
 例えば、右図は0℃から液化CO₂を所定圧である温度まで加熱する場合に必要な熱量を示します。同じ温度まで加熱する場合でも、高圧力の方が必要熱量は少なくなります。このため、高圧力の必要熱量Heat Dugyで設計された熱交換器は、低圧では同流量で同じ温度まで加熱できません。逆に、低圧のHeat Dutyで設計された分離系の熱交換器では高圧処理時の所定量CO₂を循環できない場合があるので注意が必要です。   「想定外」でない装置のポイント!の★2参照下さい

【Qe7】 超臨界CO₂ による抽出 / 処理コストは、幾らですか?二酸化炭素CO₂ガスの詳細はこちらへ!
【Ae7】 超臨界二酸化炭素による処理費用 超臨界CO₂ による抽出、含浸等の処理プロセスの経済性、処理費用は、以下の項目により、大きく影響します !
① 設備投資関連費   (設備投資、保守費、運転消耗品、税・保険等も含む設備投資額に比例する部分) 
② 用役費、その他費用  (ユーティリティ費、運転・保全労務、工場管理費他) 
③ CO₂購入費(バッチ運転容器開放時補充分) (右図参照)

● 設備投資額は、以下の項目により、大きく影響  !  
  ① 処理容器のサイズ   (被処理物の処理量、処理容器の長さ/内径比(L/D))
  ② CO₂流量       (CO₂を昇圧・昇温して供給、回収・精製する循環系)
  例えば :処理時間を短くするためにCO₂流量を増やすと
        ・ 処理容器の価格は、低下
        ・ CO₂循環系の設備価格 + 用役費(ユーティリティ費)は、増加 !

超臨界二酸化炭素による処理費用

● 処理における律速段階の把握が必要 !
  プロセス経済性は、①被処理物の充填、②昇圧・昇温、③処理(含浸/抽出/乾燥など)、④リンス(助剤排出)、⑤減圧、⑥被処理物の取り出しなどの各工程の内、どの工程が律速段階かを踏まえた上での最適な工程時間の割り振りに大きく左右されます !


超臨界二酸化炭素による処理費用条件

  右図は、有機固形物に機能剤を15MPa、60℃で含浸処理し、CO₂を所定圧で回収・精製・循環使用、処理時間が2時間と4時間の2ケースの処理費用(固定費[減価償却費他]+ 変動費[用役/助剤/CO2購入費])を示します。 (実際の処理費用は上記費用以外に含浸する機能剤購入費、運転/保守要員労務費、管理費などを加算する必要があります)


  処理コスト、費用に占める固定費と変動費の割合は処理量によって異なります ! プロセス装置のため、処理量が多くなるほど、処理コストが安くなります !

【Qe8】 「想定外」でない装置にするポイントは何でしょうか?⇑このページのトップへ
【Ae8】 超臨界CO₂ 流体は、物性値を変化できることが大きな特長ですが、逆に、その物性値を使いこなせないと 「想定外」 の装置になり、経済性も含めた目的が達成できないだけでなく、安全性の問題にも関係してきます。詳細は、こちらを参照下さい。

【Qe9】 装置運転での注意事項はありますか?⇑このページのトップへ
【Ae9】 超臨界二酸化炭素処理ドライアイス生成プロセス的、安全面の観点より、上記【Ae5】とダブリますが、以下のような点に注意が必要です。
(1) プロセス的観点 : 固体・液体・超臨界・ガスの4相が簡単に生成することに依存しますが、加速度抵抗(ポンプ吸込側)、減圧による2相生成(圧力制御弁二次側)、ドライアイスの生成(右写真:処理容器内)、ハイドレイトの生成などが起こります。
(2) 安全面の観点 : 試験装置などの継手を使用したチューブ配管等では、配管が外れると大きく"しなり"重大事故に繋がる危惧がありますので、必ず運転前の気密性の確認が必要です。
バッチ的に使用する容器の場合は、大気圧と高圧が繰り返しされ、設計時には、繰り返し回数が定義され、その管理が必要です。

【Qe10】 安全弁の吹出し量は、どのようにして決めますか? ⇑このページのトップへ
【Ae10】 安全弁の吹出し量と圧力の決定は、高圧ガス設備の設計・使用にとって非常に重要で、超臨界CO₂の場合は、特に、圧縮性の液化ガス的性質があるため、法に規定されている以外の要因の検討も必要です。高圧ガス保安法(一般高圧ガス例示基準13項)他を再確認下さい!
(1) 規定吹出し量とは : 安全弁の吹出し面積、吹出し係数等を用いた計算で算出される安全弁の吹出し量。計算式は、例示基準資料集に記載されています。
(2) 所要吹出し量とは : 火災やミス操作などで装置の安全のために吹出さなければならない量。 規定吹出し量 > 所要吹出し量
高圧ガス保安法(一般高圧ガス例示基準13項)では、以下の項目が記載されています。
   イ. 液化ガスの高圧ガス設備等 (火災他、「断熱の措置」が講じられているかどうかで2つの式が規定)
   ロ. 圧縮ガスの高圧ガス設備等 (所要吹出し量W(kg/h) = 0.28 x 導入管内の圧縮ガスの流速V(m/sec) x 入口ガス密度γ(kg/m³) x 導入管内径d2(cm))
超臨界二酸化炭素等密度線図    ハ. ポンプ、又は 圧縮機は、1時間当たりの吐出量(kg/h)
 但し、上記イ、ロで計算された量が当該設備内の高圧ガスの量を超える場合は、当該設備内の高圧ガスの量(時間当たり)とすると記載されています。
 実装置設計では、以下も計算し、その最大のものを安全弁の所要吹出し量とします。即ち、上記HPGの規定条件以外も考慮する事で初めて 「想定外」でない装置になります。
   A. Failure of feed, reflux or cooling medium(フィード、還流、冷却媒体の欠乏)⇒
   B. Closed outlet valve at vessel or pump(ベッセルorポンプの出口バルブの閉塞) 上記のハに相当
   C. Closed outlet valve at heater(ヒータ出口バルブの閉塞)⇒
   D. External fire(外部での火災) 上記のイに相当⇒
   E. Vaporization of exchanger(熱交換器での気化)⇒
   F. Thermal expansion(熱膨張)⇒
   G. Control valve fail open(コントロールバルブのFail Open)
(3) 吹出し量決定圧力
JISB8210:安全弁の吹出し量を算出する場合の入口側の圧力で、設定圧力と許容超過圧力との和。設定圧力x1.1倍、又は、設定圧力+0.02のいずれか大きい方。
高圧ガス保安法(技術基準の細目を定める告示第7条の2の二):圧縮ガスの高圧ガス設備に係るものにあっては許容圧力の1.1倍以下の圧力、液化ガスの高圧ガス設備に係るものにあっては許容圧力の1.2倍以下の圧力であること。

【Qe11】 炭酸ガスボンベを加温する場合の注意事項は? ⇑このページのトップへ
【Ae10】 炭酸ガスボンベ(液化CO₂が充填)を使用し続ける、使用/排出量が多いとボンベ内圧力が低下しボンプ等の能力に影響する場合があります。この場合にはボンベ を加温する事で圧力低下を緩和する事ができますが、法的に以下の制限がありますので、注意が必要です。(一般高圧ガス保安規則第六十条(その他消費に係る技術上の基準) 他より)
三 充填容器など、バルブ又は配管を加熱するときは、次に掲げるいずれかの方法により行う事。但し、安全弁及び圧力又は温度を調整する自動制御装置を設けた加熱器内の配管については、この限りではありません。
 イ 熱湿布を使用する事 : (20210407保局第2号令和3年5月18日高圧ガス保安法及び関係政省令等の運用及び解釈について(内規)より) 熱湿布は「設置場所又は高圧ガスの種類に応じた防爆性能」
(第6条第1項第26号の規定) を有する電熱線ヒーターであって、かつ、温度を40℃以下に調節する自動制御装置を設けたものを含む。
 ロ 温度40℃以下の温湯その他の液体(可燃性のもの及び充填容器などバルブ又は充填用枝管に有害な影響を及ぼす恐れのあるものを除く)を使用する事
 ハ 空気調和設備(空気の温度を40℃以下に調節する自動制御装置を設けたものであって、火気で直接空気を加熱する構造のもの及び可燃性ガスを冷媒とするもの以外のものに限る)を使用する事

【QL1】 装置使用には、官公庁への届出・許可が必要ですか?⇑このページのトップへ
【AL1】 都道府県庁(権限移譲している場合は市町村長。以下同じ)への高圧ガスとしての届出・許可が必要です。高圧ガスとは、 高圧ガス保安法にて規定されており、a) 1MPa以上である圧縮ガス、b) 0.2MPa以上の液化ガス 他が該当、液化二酸化炭素は20℃で5.6MPaの蒸気圧を示し、液化高圧ガスとなり、県庁への届出・許可を行います。
 液化ガスとは、「現に液体であって、①大気圧下における沸点が40℃以下のもの(大気圧中に放出された場合ほぼガス状になるもの)又は②大気圧下における沸点が40℃を超える液体が、その沸点以上で、且つ 1MPa以上の状態 にある場合のもの」を言います。  (下線部:2016/11/1改定)
【例外規定】2016年11月より、次の認定を受けた超臨界流体抽出装置、超臨界流体クロマトグラフィーシステム(SFE/SFC)は、法の適用除外となり、県庁への装置の設置・変
     更の許可申請・届出が不要:認定を受けた次の装置: a) 装置内のガスの容積 0.15N㎥以下、 b) 装置の内容積 100mLiter以下 KHK作成のSFE/SFC認定マニュアル参照
【例外規定】施工令第2条第5項第9号:ガスの容積が0.15㎥以下で経産大臣が定めるものは適用除外(試験研究用以外も有):試験研究の用に供する機器内における高圧ガス:
     イ:①内容積 ≦ 100mLiter か、②内容積㎥ x 設計圧力MPa ≦ 0.004 か、 ③内容積 ≦ 1Literで且つ < 30MPa、上記イに加えロ:許容圧力以下に戻す安全装置の設置。
      但し、可燃性ガス,毒性ガス,酸素は、イの①に限り、且つ 必要な安全のための措置が講じられている事。詳細は告示(昭和五十一年通商産業省告示第百三十九号)第4条2の八p.8他を参照

【QL2】 高圧ガス保安法 (HPG) はどのような形で適用を受けますか?⇑このページのトップへ 超臨界二酸化炭素装置
【AL2】 第一種ガス  二酸化炭素は、高圧ガス保安法(HPG)では、第一種ガスと規定されます(右表参照)。第一種ガスのみの場合、300Nm³/日以上は、許可(第1種製造者)、それ以下は事業開始の20日前迄に知事に届出(第2種製造者)が必要です。高圧ガスの製造とは
 300Nm³/日は、超臨界CO₂で、昇圧 1 ・加熱・減圧 2 のみの場合は、約12 kg-CO₂/ Hrに該当しますので、装置計画の時には、考慮が必要です。 CO₂を回収し、再使用する場合は、更に、凝縮工程 3 が加算されますので、更に小さな処理量で許可が必要になります。下記のAL3参照参照下さい。
 又、高圧ガス設備の第一種製造者は、「定期に都道府県知事が行う保安検査を受けなければならない(第35条1項)」、第一種製造者、第二種製造者は「定期に保安のための自主検査を行い、その検査記録を作成し、これを保存しなければならない(同2項)」と規定されているため、下記のAL7に記載の検査などは毎年実施する必要があります。

【QL3】 HPG の処理量はどのように計算しますか? 第1種製造者とは?⇑このページのトップへ
【AL3】 高圧ガス保安法第5条第1項第1号に記載されている設備の処理容積(処理量)の計算は、設備の公称能力、設計能力等名目的な能力によるものでなく、電力事情、原料事情、企業操業状況、その他設備の外的条件による制約とは無関係に設備自体の実際に稼働しうる1日(24時間)の能力によります。即ち、一日8時間しか使用しない場合でも、24時間使用として計算する必要があります。例えば、上記AL2で示す超臨界CO₂の第1種製造者の境目の流量は、以下のようになります。
・CO₂を回収せず大気放出する場合:12 kg-CO₂/Hr / 44 kg/kmol x 22.4 Nm³/kmol x 24 Hr x 2(昇圧&加熱) = 293 Nm³/日 < 300 Nm³/日   (【Ae1】フロー図参照)
・CO₂を回収、循環再使用する場合:8.1 kg-CO₂/Hr / 44 kg/kmol x 22.4 Nm³/kmol x 24 Hr x 3(昇圧&加熱&凝縮) = 297 Nm³/日 < 300 Nm³/日(【AL2】フロー図参照)
  処理量の計算は、公称能力ではなく、ポンプの場合、水流量(工程容積x100%効率)を使用します。CO₂は、圧縮性流体のため、ポンプ効率は、採用ポンプ型式、吸込条件等に大きく依存し、50~90%となる場合があります。このため、実際のCO₂流量は、大幅に低下する場合があり、注意が必要です。その他の注意すべき項目は、以下の通りです。:
 ① 事業所の高圧ガスの処理量は、各々の高圧ガス設備の処理設備の処理量を合算します (冷凍事業所を除く) 。
 ② 計算について: (イ) 設備/公称能力の24時間値を採用できるのは、設備を最大稼働した場合の処理設備の処理能力と公称又は設計能力との差がない場合に限ります。
(ロ) 付属冷凍は、圧縮機、蒸発器、凝縮器等の高圧ガス処理量計算の例により合算します。
(ハ) 処理量は、理想気体換算とします。(単位 N㎥/日)ただし、コールド・エバポレータについては液量によります。
(ニ) 高圧ガスと高圧ガス以外の混合物にあっては、高圧ガスのみを算出対象とします。
  第1種製造者とは、ガスの種類により、以下のように、分類されます
① 全てのガスが第1種ガス: 300 m³/日以上
② 全てのガスが第1種ガス以外のガス : 100m³/日以上
③ 上記①と②の両方が含まれるガス : 100 + 2/3 x 第一種ガス処理量合算地 m³/日以上

【QL4】 高圧ガス製造の許可申請の提出資料は?⇑このページのトップへ HPG製造許可申請フロー
【AL4】

第1種製造者は都道府県知事等の許可を受けるために、右に示す手続きが設置工事着工の前に必要です。提出書類、申請様式は、一般則第三条 に記載されていますが、都道府県庁により一部異なり、以下の書類、図面を提出する必要があります。
設置許可申請・変更許可申請、完成検査受験時には、処理量に応じた手数料を支払います。


1. 高圧ガス製造許可申請書 (高圧ガス製造施設等変更許可申請書) [一般則第3条、様式第一]
  1.1. 高圧ガス製造許可申請書 1.2. 委任状 1.3. 登記簿謄本
2. 高圧ガス製造計画書
 2.1. 製造の目的、 2.2. 製造の方法、 2.3. 処理設備の処理能力
  (一般則第3条2項)  2.4. 処理整備の性能及び能力計算書、  2.5. 貯蔵設備の貯蔵能力、能力計算書
3. 一般則第6条第1項及び第2項の技術上の基準に関する事項     (一般則第3条2項4) → (一般則第6条~8条)
 3.1. 一覧表 (※1)、   3.2. 耐震設計に係る設計条件

(一般則第6条他の「機能性基準」に関する技術上の基準は、こちら(2021年版)を参照下さい ! )
(第1項15号の基礎は、同号に規定する基礎を有する構造物上に設置された物は対象外、名古屋市webに比較的 
小規模のものは配管と同様に間接支持で十分に対応できる場合に限り基礎計算を省略できるとの記載有り。)
4. 案内図、配置図、系統図
 4.1. 事業所案内図 (最寄駅からの案内図/付近の状況を示す図面)      (一般則第3条2項6)
 4.2. 事業所全体平面図 (境界線と警戒標の設置位置、及び製造施設の位置)
 4.3. 高圧ガス製造施設配置図 (保安距離、火気取扱施設等との距離)
 4.4. 製造設備の配置図 (防消火設備・ガス漏洩検知機 他)
 4.5. 高圧ガス製造施設配置図、     4.6. フローシート
5. 機器リスト(一覧表 ※2)
6. 機器の構造図及び強度計算書
注1:都道府県庁により、記載順序などが異なりますので、事前に確認下さい。
注2:上記の橙色字は、当社などの装置メーカにて、通常、準備します。
※1、2: 都道府県庁により、様式指定されている場合があります。
経済産業省の許可申請書/様式第1他の書式は、こちらに掲載されています。
各県庁の手続きの手引きは以下に掲載されています。設備の処理量の算定法は埼玉に記載有り @ 2024/1現在:
・埼玉県庁、  ・兵庫県庁、   ・千葉県庁、   ・三重県庁、  ・広島市消防局
製造許可申請以外に高圧ガス製造開始迄に新規作成しないといけない書類(様式が決まっている届は除きます)には、以下があります:
  ・保安教育計画 (法第27条、但し、届出は不要。毎年の保安検査で計画と実施が確認されます。)
  ・危害予防規定 (法第26条、製造開始迄に届出、定めない場合は罰則適用有法第83条1)

【QL5】 装置を運転するのに、どのような資格が必要ですか?  (保安係員)⇑このページのトップへ HPG製造者区分
【AL5】 第1種製造者(都道府県知事等の許可を受けた者)は、保安係員(製造保安責任者免除の交付を受けている者で高圧ガスの製造の経験を有する者(法27条2/33条、則66条2/4)、甲,乙,丙(特別)種の化学免状+経験、甲,乙種の機械免状+経験、 製造区分/直毎に正&副(代理者))を選任する必要があります。
また、処理能力25万N㎥/日以上(二酸化炭素他)の場合は、保安技術管理者(甲,乙種の化学or機械免状+経験)他を事業所ごとに正副各1名を選任する必要があります。
[注記1]
  ・

  ・
  ・
上記の経験は、一般則第66条3項に以下のように記載されています。
一種類以上の高圧ガスについてその種類ごとの製造に関する一年以上の経験。(第4項:その種類ごとの1年以上の経験が無い場合でも、1年以上の高圧ガスの製造経験があり、その経験を有するガス区分 (a)可燃性・毒性ガス、b)可燃性ガス、c)毒性ガス、d)酸素)に属する施設、又は、その他ガスの施設に選任できる。)
圧縮機若しくは液化ガスを加圧するためのポンプを使用してする高圧ガスの製造に関する一年以上の経験。
高圧ガス設備の設計・施工・管理・検査業務等に従事し、かつ、当該設備の試運転業務を熟知し、高圧ガスの製造に関する一年以上の経験を有する者と同等以上の経験。
[注記2]
  ・

  ・
令和6年4月26日保局第1号:高圧ガス保安法及び関係政省令の運用及び解釈について(内規)に以下と解釈されていますので参照下さい!
他社への委託:保安係員(代理者を含む)の選任(第27条の2)は、その職務及び職務遂行に必要な権限等が事業者の規定及び委託契約において明確に定められ、保安係員としての確実な職務の遂行が確保される事が確認できる場合には、例えば他の会社(管理会社等)等に所属するものであっても保安係員に選任しても差し支えない。(P.14)
保安係員の代理者(第78条):当該従事する製造施設区分であれば、保安統括者、保安技術管理者、保安主任者を兼務しても良い。(p.51)
[注記3]
  ・

  ・
平成29年9月1日静岡県危機管理部消防保安課 質疑応答集(一般高圧ガス)に以下と記載されていますので参照下さい!
保安係員の常駐:保安係員の職務(一般則第76条)及び交代制における保安係員の選任(則第66条2項)の主旨から、高圧ガスの製造が行われている間は常駐する必要がある。(P.22,A44①)
加圧状態での非製造時:ガス圧が維持されていても、高圧ガスの製造が行われていない場合は、保安係員の駐在は不要(P.22,A44②概要:詳細は原本確認下さい)。

【QL6】 HPG の特定設備とは、どのような設備ですか?⇑このページのトップへ
【AL6】 高圧ガスの製造設備のうち、高圧ガスの爆発その他の災害の発生を防止するため設計の検査、材料の品質の検査又は製造中の検査を行うことが特に必要なものとして定められたものを言います。超臨界CO₂の試験装置、設備の場合には、その容量と圧力により、 該当する場合と非該当の場合があります。該当する場合には、KHK(高圧ガス保安協会)等の第三者検査に合格する必要があります。以下のものは、特定設備には非該当になるため、試験装置等の計画時に考慮する場合があります。
(1)
 
設計圧力をMPaで表した数値と内容積をm³で表した数値との積が0.004以下の容器
 ⇒ < 30MPaは以下(2)適用で 1 Liter以下、≧ 30MPaは0.133 Liter以下で高圧程小さくなる (0.004/30=0.000 133m³)
(2) 内容積が0.001 m³以下であって、設計圧力が30MPa未満の容器
(3) ポンプ、圧縮機及び蓄圧機に係わる容器、流量計、液面計その他の計測機器及びストレーナに係わる容器 他
詳細は、特定設備検査規則第3条他を参照下さい。
圧縮機、ポンプ、配管、バルブ等で知事等の完成検査受験の代わりに保安協会の"高圧ガス設備試験"の受験で変える事ができます。
一方、容器でない場合でも、ガス・液溜まりが上記を満たない場合には、特定設備と考えられる場合があり、県などへの確認が必要です。
高圧ガス保安法の適用を受ける第一種圧力容器、第二種圧力容器は、ボイラー及び圧力容器安全規則(第125条2項)の主規定の適用は受けません。

【大臣特認】急速蓋開閉装置等で関係規則(特定設備の第10~45条までの規定等)に定められている規定によれないで機器の製作を行おうとする場合は、
     KHKの特定案件事前評価を受け、技術基準等特別認可申請書(特認申請書)をKHK経由で経産省に提出し審査を受ける事ができる。
KHKによる事前評価申請における申請書類作成に関する手引

【特定設備検査規則の機能性基準の運用】 特定設備検査規則に定める技術的要件を満たすべき技術的内容及び検査方法をできる限り具体的に示したもの。
     胴板の最小厚さの計算式:p.8、許容引張応力表(別表第1):p.415


【QL7】 HPG の保安・自主検査では何をしなければならないですか?⇑このページのトップへ
【AL7】 超臨界CO₂を使用するユーザー(30m³/日以上のお客様(法35条2))が、自ら自主検査を行い、第一種製造者に対し、保安検査を知事等が実施(法35条)します。
保安検査の受検は基準日の前後1ヵ月に実施すれば良いことに2017年4月よりなりました。基準日は、前回の保安検査(未受験の場合は完成検査)の日の1年を経過した日等とされていますが、府県庁に確認が必要です。
実施内容の概要は、以下の通りです。詳細は、KHKS 0850、KHKS 1850他を参照下さい :   但し、第二種製造者の自主検査については、「高圧ガス保安法の基礎シリーズ第11回」の表中の検査の方法欄には、 危害予防規定・社内規定等で定める(第1種製造者の保安検査は、KHKS保安検査基準による)、と記載されています。
(1) 期間 (超臨界CO₂設備の場合) :a) 保安検査:1年 (圧力計、温度計は2年に1回)、b) 定期自主検査:1年 (圧力計、温度計は目視は1年、精度は2年に1回)
(2) 検査項目: 1. 警戒標等、 2. 保安距離・施設レイアウト 等、 3. 高圧ガス設備の基礎・耐震設計構造 等、
4. ガス設備、 4.3. 高圧ガス設備の耐圧性能及び強度、4.4. 高圧ガス設備の気密性能、
5. 計装・電気設備、5.1.1. 温度計、 5.1.2. 圧力計、 5.1.3. 液面計等、
6. 保安・防災設備、6.2. 安全装置  他 等
 ここで、4.3. 高圧ガス設備の耐圧性能及び強度(開放検査)は、概略以下の内容です。詳細は、他の資料で再確認下さい。
① 内部の目視検査、期間:1年、
   但し、a)腐食その他のb)材質劣化がない材料 : 3年以内、b)材質劣化 :劣化損傷で次を言う
      c)腐食性のない不活性ガス設備      : 不要 ・割れ:応力腐食割れ、、クリープ、
② 外部の目視検査、期間:1年疲労(繰り返し荷重(運転圧力x運転回数)他)等
③ 肉厚測定、期間:1年 ・材質変化:劣化(水素浸食、水素脆化 等) 等
   但し、 c)腐食性のない不活性ガス設備: 外部に減肉が認められた時c)腐食性のない不活性ガス設備:不純物や水分の混入等による
④ 肉厚測定以外の非破壊検査、期間:腐食等が生じないように管理されているもの
      a)腐食その他のb)材質劣化がない材料 : 3年以内、 保基05-耐Q22:液化炭酸ガスは腐食性のない不活性ガスに該当する。
      c)腐食性のない不活性ガス設備     : 不要 但し、腐食等が生じないように管理されている事が条件で保安検査実施機関の判断が必要。

 ここで、4.4. 高圧ガス設備の気密性能は、概略以下の内容です。詳細は、他の資料 KHKS 0850他で再確認下さい。
  ・運転状態のガス、又は 危険性のない気体を用いても良い。
  ・10分間以上保持した後に、発泡液塗布又は携帯式ガス漏洩検知器等により、漏えいが無い事を確認する。
   a)高圧ガス設備を開放した場合: 原則、常用の圧力以上の圧力。
    但し、KHKS 0850の付属書E(p.68)の条件を満たす場合は、運転状態の圧力により気密試験が可能。
   b)高圧ガス設備を開放しない場合:当該設備の運転状態の圧力。運転状態の圧力で不合格の場合の再試験は常用の圧力以上の圧力で実施します。
    (令和6年4月26日保局第1号:高圧ガス保安法及び関係政省令の運用及び解釈について(内規): p.55 別表第3下欄中「常用の圧力以上の圧力で行う気密試験」については、
      開放検査を行わない年に、当該運転状態の圧力で、当該運転状態の高圧ガスを用いて気密試験を実施しても差し支えない。
)
必要書類等の掲載例として、三重県で保安検査を受検する時の検査当日に必要な書類があります。 @ 2025/8現在

【QL8】 HPG 施設等を変更・改造する場合の取扱いは?⇑このページのトップへ
【AL8】 高圧ガス保安法第14条に構造・設備の変更をする場合は、a)第一種製造者:知事等の許可が必要、軽微な変更の場合は完成後遅滞なく知事等に届出が必要
b)第二種製造者:予め、知事等に届出が必要、軽微変更は届出は不要。
【軽微な変更】必要要件:(1)特定設備で無い、(2)取替え、(3)認定試験者・KHK等に合格(未使用品で試験日から3年以内のもの)、可とう管、(4)処理能力の変更が伴わない。
  〘例〙 認定書が添付された取替:圧縮機、ポンプ、安全弁、逆止弁、減圧弁、その他の弁類 他
【許可・届出が不要な工事】以下のものは、許可・届出の不要な工事として取扱う:
  ・圧力計・温度計の取替え(同一方式の取替えに限る)、・消耗品(耐圧性能に影響がない部品交換等)の取替 他
参考資料:詳細は右記を参照下さい:石川県チェックリスト、 福島県軽微変更の取扱い

【QL9】 HPG の貯蔵 / 容器置場の取扱いは ?⇑このページのトップへ HPG貯蔵所区分
【AL9】 HPG貯蔵所区分 高圧ガスの貯蔵に関する規制には、右図に示すように第1種貯蔵所(許可)、第二種貯蔵所(届出)、その他貯蔵者があり、 各々に求められる技術基準への適合義務等(法第15条)があります。第1種製造者(AL5参照)には法第15条は適用されませんが、一般則第6条第2項第8号容器置場及び充塡容器等掲げる基準に適合する必要があります。

 複数の容器又は容器以外の貯蔵設備(これらを「設備」と称す)の貯蔵量(消火設備は別途)は、以下で合算の有無を判断します。  (高圧ガス保安法及び関係政省令の運用及び解釈について(内規)第16条関係参照)
  ・設備が配管で接続 ⇒ 距離に関係無く、合算。
  ・配管で接続されていなく、貯蔵設備と容器/貯蔵設備間が30m以下 ⇒ 合算。
  ・配管で接続されていなく、容器と容器間が22.5m以下 ⇒ 合算、障壁設置等での距離緩和措置が別途有り。

 第1種ガスと第2種ガスを合算する場合は、第1種ガス量の2/3に1,000を加算した合算ガス量より、多いか、少ないかで判断します。
上図と以下の合算例を参照下さい。 (液化ガス:1ton = 1,000kg ⇒ ガス:100㎥)
  ・(圧縮N₂=420) + (LPG=7,500kg=750) = 1,170㎥ < 420 x 2/3 + 1,000 = 1,280㎥ → 第2種貯蔵所
  ・(圧縮N₂=420) + (LPG=9,000kg=900) = 1,320㎥ > 420 x 2/3 + 1,000 = 1,280㎥ → 第1種貯蔵所
  上記計算で第1種ガス簡易計算式 第1種ガス + 第2種ガス x 3 ≧ 3,000㎥ = 第1種貯蔵所

【技術基準への適合】(法第15条第1項:一般則第18条) 貯蔵の内、容器(貯槽は別途)の方法に係る技術上の基準 / 主要項目の抜粋: (詳細は法を確認下さい)
 二項:イ:可燃性ガス又は毒性ガスの充塡容器等により貯蔵する場合は、通風の良い場所でする事
    ロ:第6条第二項第八号に基準に適合する事。但し、その他貯蔵者は、同号ロ、二の基準に適合する事は不要。

同第八号基準:イ. 区分:充塡容器と残ガス容器を区分する。ロ. 区分:可燃性ガス、毒性ガス、特定不活性ガス、酸素を区分する。
ハ.置場の整理:計量器等作業に必要な物以外の物を置かない。  ニ.火気等の距離(不活性ガス(特定不活性ガスを除く)、空気を除く)
ホ.超低温容器及び低温容器にあっては容器内のガスの最高常用温度、その他の充塡容器は40℃以下に保つ。
ヘ. 圧縮水素運送自動車用容器は常に温度65℃以下に保つ事。ト. くさり等で転落転倒を防止する。(内容積が5 L以下のものを除く)
チ.携帯電燈以外の燈火を携えない。(可燃性ガスのみ)   他

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