産業用ガス、化成品

水素(液化水素・水素ガス・H₂・hydrogen、CAS:1333-74-0)水素分子

水素ガスの用途 : さまざまな市場で使用されているH₂ガスこのページのトップへ

化学原料 市場 化学工業 市場 金属 市場 ガラス 市場 弱電 市場
アンモニア NH₃ 合成(ハーバー・ボッシュ法)、メタノール CH₃OH 合成、塩化水素 HCl (水溶液は塩酸)、アニリン C₆H₅NH₂合成 他の原料水素として利用されています。 化粧品、洗剤、香料、ビタミン剤などの薬品原料に水素添加するために使用されています。 ステンレス鋼の光輝焼鈍、焼結金属、磁性粉末製造などの雰囲気ガスとして使用されています。 光ファイバー、石英ガラス、フロートガラス製造時の雰囲気ガスとして使用されています。 IC・LSI・トランジスター、電子部品、液晶、PDP製造時の雰囲気ガスとして使用されています。
水素ガス 用途別シェア  圧縮水素ガスの日本国内販売量(JIMGA統計)は、2021年度で77.1百万Sm³で、右図に示す用途で使用されています。統計外で、圧縮水素ガスよりも輸送効率が高い液体水素、オンサイト装置(水素使用場所での水蒸気改質+PSA装置精製分)があります。 2018年データでは、圧縮水素ガス0.88、液化水素0.69億Nm³で、それ以外にオンサイト水素が多数稼動となっています。

水素・H₂の状態図 (温度・圧力線図)このページのトップへ

水素の温度-圧力線図

 状態図・相図は、水素・H₂の相(固体・液体・気体)と熱力学的な状態量の関係を表したものです。物資がある相から他の相に変わることを相転移と言います。

 固体が液体に変わる現象が溶融、融解で、その相変化を示した曲線を溶融線、融解線と言います。
 液体が気体に変わる現象が沸騰、その逆が凝縮で、この温度が沸点で、その相変化を示した曲線を沸騰線、凝縮線、或いは、蒸気圧曲線と言います。
 固体が液体にならずにそのまま気体になる現象が昇華であり、この時の温度が昇華点で、昇華線と言います。

 水素・H₂の三重点(固体・液体・気体の状態が同時に存在する) は、-259.347℃(13.8K)、0.00704MPa(abs)です。臨界点(critical point、気体と液体が共存できる限界の温度・圧力、これを超えた状態で通常の気体、液体とは異なる性質を示すユニークな流体は超臨界と言う)は、-240.18℃(32.97 K、臨界温度Tc)、1.293MPa(abs、臨界圧力Pc)です。

供給形態(ボンベ/シリンダー、カードル、セルフローダ/トレーラー)このページのトップへ

  水素ガス・液 H₂の供給形態・荷姿は、通常、以下のような種類があります。

(1) 一般容器(気体充填用)水素ガスボンベ

 右表に一般容器のボンベ/シリンダーを示します。もっとも普及しているボンベは、7,000 Liter = 7 m³のものです。14.7MPa(g)(約150気圧)で気体状態で充填された水素ボンベの重さは約53kgになり、かなり重いため、取り扱いには注意が必要です。

H₂ 充填量 サイズ(概略) 空重量 内容積
7,000 Liter 232mmφ x 1,365mm高さ 52kg 46.7L
1,500 Liter 139.8mmφ x 965mm高さ 11.5kg 10.2L
500 Liter 101mmφ x 645mm高さ 6.0kg 3.4L
(2) カードル

水素ガス・カードル 中容量の輸送用容器として、上記のボンベを集結したもので、10本、20本、30本などがあります。大量に消費する場合は多くの本数が必要になりますが、簡単な設備で移動させることができます。

(3) セルフローダ、トレーラー

水素ガス・カードル 大容量の輸送用容器として、長尺容器(1本の長さが6m以上の長い大型容器)を集結したトレーラー(ゴム製タイヤが付き、そのまま牽引移動可能)やセルローダ(鉄製車輪が付き、ウインチ付き専用トラックにて移動)があります。長尺容器1本で水素容量60~140m³で、最大3,100m³容量のトレーラー例があります。

(4) 液体水素

 液化水素を輸送するための容器は、国内では、コンテナ、ローリーが主に使用されています。コンテナは、輸送用としてだけでなく、そのまま使用場所に置いて消費先容器として使用可能です。液化水素は外部からの侵入熱により気化してしまうので、その貯蔵は、外部からの熱を極力遮断する断熱性に優れた断熱方法を採用する必要があります。そのため輸送用容器の断熱には、いずれも積層真空断熱方式(一部LN2シールド付も導入)が採用されています。
  また、ロケット燃料向けなどの大量供給に対しては、液化水素ローリー(内容積23,000)によりバルク供給が一般的で、この場合はローリーから低温貯槽などに液化水素を移し替えて貯蔵します。タンクローリーによる直接供給も可能ですが、高圧ガス保安法では、タンクローリーは移動式製造設備として取り扱われ、長時間以上同一場所に留め置いて使用する場合は、貯蔵設備としての届出も必要となるため、十分な注意が必要です。

(5) 水素ガス発生装置

 お客様の敷地に水素ガス発生装置を設置し、オンサイトで水素ガスを連続で供給します。詳細は、こちらを参照 下さい。

ボンベの刻印このページのトップへ

  1. (1)容器所有者記号(例:H071)
  2. (2)充填ガスの種類(例:N₂、O₂、Ar、CO₂等)
  3. (3)容器記号番号(例:ABC23456)
  4. (4)内容積(V:単位リットル)
  5. (5)容器重量(W:単位キログラム)(弁、キャップを含まない)
  6. (6)耐圧試験圧力(TP:単位MPa(g))
  7. (7)最高充填圧力(FP:単位MPa(g))

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