産業用ガス、化成品

窒素ガス置換・希釈(− 窒素ガス充填 ・ 充填包装 −)

  • 食品等を不活性窒素ガス中に保持し、空気中の酸素による好ましくない変化を阻止する・・・
    (食品の鮮度や風味、香りは酸素と深い関係があります!)
  • 可燃性液体・ガス、毒性ガス等を不活性窒素ガスで置換し、燃焼が起こるのに必要な必須条件「燃焼の三要素」、①可燃性物資、②酸素供給体(空気など)、③熱源(点火エネルギー)の同時存在の三要素の内の酸素を置換除去する事により、燃焼・爆発他を起こさないようにする・・・

窒素ガス 排気ガス

置換が必要な 可燃性物質 : 可燃性ガス・毒性ガスとは!(最新の情報他を確認下さい)

  • 一般高圧ガス保安規則第二条記載の可燃性ガスと毒性ガスの規定

  • 1. 可燃性ガス 次の"イ"又は"ロ"に該当するもの(旧通達集より)
    イ:爆発限界 (空気と混合した場合の爆発限界) の下限が10%以下のもの
    ロ:爆発限界の上限と下限の差が 20%以上のもの
    「爆発限界」とは、可燃性の気体又は可燃性の液体の蒸気と空気との混合物に点火した時、その火炎が全体に伝播し爆発を引き起こすガスの濃度の限界
  • 2. 毒性ガス じょ限量が百万分の二百以下のもの(旧通達集より)
    「じょ限量」とは、一般の人が有害ガス等を含んだ環境のもとで中規模の作業を一日8時間行い、且つ、長期間継続しても健康に障害を及ぼさない程度の有害ガスの濃度の限界

空気中の酸素O2を置換するのに必要なN2ガス純度、量は、幾らでしょうか?

 空気中に約21%含まれている酸素O2ガスを置換する際に必要な窒素N2ガスの純度と必要理論量(置換回数)の関係は、右図のようになります。
 例えば、食品・御菓子類のガス置換・充填包装などのように、一般に密封容器内の酸素濃度を0.5~1.0%にする場合は、以下のようになります。

目標
酸素O2濃度
必要理論量 [窒素ガス純度]
99.999 %時 99.9 %時 99.5 %時
1 %以下 約 3.2 約 3.3 約 3.8
0.5 %以下 約 3.9 約 4.1

 右図、上表より、必要な窒素純度は、必ずしも高濃度である必要がなく、窒素PSAの特長を生かして、低純度で高流量で置換する方が良い場合があります。(下段参照)

 必要理論量:完全混合槽列モデルで計算した容器空容積に対する理論倍数。詳細は、本ページ下段を参照下さい。可燃性ガスなどの置換に必要な窒素N2ガスの純度と必要理論量(置換回数)等の説明もしています。

 実際の必要量は、デッドスペースなどにより、個別に変わりますのでご注意下さい。

グラフ

ガス充填・充填置換では、適切な純度のN2ガスで、コストダウンを実現!

例えば、

  • ① 密封容器内の酸素濃度を0.5~1.0%に置換する(減らす)場合、高純度でも、99.9%窒素ガスでも、置換に必要なガス量は、ほとんど変わりません!(上段右表・図参照 → 3~4回理論置換量で置換!)
  • ② 窒素ガス発生装置は、窒素ガス純度が低いほど、発生流量が多くなる特性があります。 (右図参照)

① + ② ⇒ ガス充填・充填置換コストは、適切な純度(=低純度N2ガス)を選択することにより、同一設備投資額と電気代で、供給可能な窒素量が増え、結果的に効率的な置換が実現できるケースがあります!

グラフ

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窒素ガスでの希釈に必要な量 : 可燃ガスや毒性ガスを置換するのに必要なN2ガス純度、量は、幾らでしょうか?

 容器内の可燃性ガス等を窒素ガスで希釈する場合の理論量/置換回数(容器空容積に対する倍数)を右上図に示します。この図は、完全混合槽列モデル(装置の混合特性を完全混合槽の直列結合で近似するもの)で、槽列を1槽で計算した理想的な置換を行う場合の置換回数を示しています。実際の場合には、デッドスペース等の流れ(複雑な構造物等)が影響します。

  • (1) 窒素ガスによる可燃性ガス等の置換
    以下に理想的なケースの残存ガス濃度に対する理論置換回数(量、100%N2の線)を例として示します。
    • 37%以下 → 1.0 回以上
    • 14%以下 → 2.0 回以上
    • 10%以下 → 2.5 回以上
    • 1%以下 → 4.5 回以上 (空容積の4.5倍以上の窒素ガスを流す)
  • (2) 窒素ガスによる大気成分(酸素)の置換
    色々な純度の窒素ガスで、大気成分(N2=78vol%)を置換する場合の置換回数と容器内の酸素等の残留濃度比(右上図)と容器内が90%窒素に、95%窒素に各々到達する置換回数(右下図)を示します。

例えば、大気成分の容器内を96%N2で置換する場合は、以下のようになります。
容器内の78%窒素が、90%窒素に置き換わるための理論置換回数:1.14回 (右下図参照)

(上図の容器内残留濃度比では、残存10%-O2/初期22%-O2=45%)
95%窒素に置き換わるための理論置換回数:2.94回 (右下図参照)
(上図の容器内残留濃度比では、残存5%-O2/初期22%-O2=23%)

グラフ

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完全混合 槽列モデル

 槽型流通槽とは、右上図のV1のタンクのように、一方から流体が入り、内部で十分に撹拌され、完全に混合され、他方から内部と同一濃度の流体が連続的にしかも定常的に出ていくものを言います。この槽型流通槽が右上図のようにN個直列に連接し、一環流通させるものが連続撹拌槽型流通器と言い、それが反応器の場合は、Continuous Stirred Tank Reactorで、CSTR等の略称で呼ばれます。

 実際の装置内混合状態を簡単な数学モデルで表す例として、完全混合槽列モデルがあり、右上図に示すように、装置V内が等しい容積の完全混合槽がN個直列に連結し、それが組み合わされていると考え、混合の程度をモデル化するものです。

 左端の容器入口からトレーサーを瞬時に入れ、VN槽の出口から排出されるトレーサー濃度を連続的に測定する時の滞留時間分布関数E(θ)は、右上式となります。(詳細は専門書、例えば化学工学便覧他を参照下さい)

 ここで、Nは、槽型流通槽の数、θは、流通槽の平均滞留時間twで規格化した無次元時間t/twです。例えば、押出/栓流流れ(Plug Flow)では、N=∞で、θ=1で、トレーサーが瞬時に全排出し、滞留時間は全て平均滞留時間に等しくなります。

 N=1は、流通槽に入ると同時に槽内の濃度が均一になり、徐々に濃度が低下します。これは、上欄の100%N2置換時と同じで、θ=1で37%、θ=2で、14%となります。

 実際の容器では、デッドスペース(死容積)が混合拡散に寄与せず、拡散と混合がデッドスペース分を差し引いたところで起こるため、Vより小さい値で説明できる場合もあります。

完全混合 槽列モデル

数式

グラフ

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